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「カニは水が増えたとき、鮎と一緒に落ちっから、水かさ分を見越して仕掛けねぇばダメなんだ」

モクズガニ漁60年の祖父が、カニ筌(うけ)を仕掛けるときにいつも言っていたが、その祖父も高齢のためにモクズガニ漁を引退した。

世代交代・・・親から子へ。その祖父を教えを思い出しながら、親父とよしおじさんが、カニ胴(私の田舎では、カニ筌をカニ胴と言っています。)を仕掛けてみた。

祖父がいない川ガニ漁。果たしてモクズガニが掛かるかな??




仕掛けるポイント

モクズガニ漁は9月下旬から10月下旬までが漁のピーク。鮎が落ちた頃が一番川ガニが獲れる。

産卵のために川を下るカニの通り道にカニ胴を仕掛けるので、まずはカニがどこを通るか?の見極めが収穫を左右する。

仕掛けるところは、ガンガン瀬の両岸にカニ胴を仕掛ける。流れが強いところでは、両端の流れが緩やかなところを通る習性があり、その通り道にカニ胴を仕掛けるのがコツ。だから餌を入れる必要もないんです。




物騒になってきたなぁ

「こないだ見に来た時、開けられた形跡があったから、胴に鍵をつけたよ〜」

新潟のこんな田舎でも物騒になってきたもんだ!

この漁でモクズガニを獲っている人はほとんどいないので、珍しさで開ける人がいるかもしれないが、他人の仕掛けを開けちゃイカン。




中を見てみるか

今回のカニ胴は、親父が初めて作ったカニ胴。

「カニ胴が出来るまで1日掛かったよ〜」

この漁法はもう途絶えようといているが、その一つの原因がカニ胴を作る人がいなくなってきたからだと思う。しかし、親父がカニ胴を作ることが出来れば、あと20年はこの漁法でモクズガニを獲ることが出来るだろう。




カニゲット!

「おぉ〜カニが入っているぞ!」

祖父がいない今年のカニ漁はどうなるかと思ったけど、無事にモクズガニを獲ることが出来たので、喜びもひときわ大きい。これで自信がついたなぁ。

これからは、胴は親父が作り、仕掛けるのはよしおじさんの分担だ。私は・・・食べるのは任してくれ。




石積み

カニ胴の前には石を並べて道を作りるが、この石積みもなかなかの重労働。1個1個積み上げていくので石を積むだけでも、かなりの時間が掛かる。軽い石は増水した時に流されてしまうので、なるべく大きい石を選んで並べる。

しかし、この石積みはただ積むだけではダメ。

カニは鮎と同じで増水したときに川を下るので、増水したときの水量を計算しながら石を積まなければいけない。

祖父はカニ胴に入る水の量が半分以下になるよう仕掛けていた。場合によっては、平水時は水に浸かっていないカニ胴もあった。よしおじさんの仕掛けはどうか・・・半分以上水に浸かっているので、これでは増水時はカニが石を乗り越えてしまう。

「カニ胴に入る水が多くねえか?」

と声を掛けると、

「水が少ないと普段は丸っきり獲れないから、ちょっと水に浸かっていないと面白くない。」

という。まだまだ祖父ほどの余裕はないなぁ〜




今日の収穫

今年は祖父が川漁を引退し、親父とよしおじさんがモクズガニ漁を継いだのだが、祖父の教えを思い出しながら、なんとかモクズガニを獲ることができた。


今日は6匹のモクズガニがカニ胴の中に入っていたが、今年は例年より小さいように思える。


モクズガニは川の河口で産卵し、棲むところを求めて上流に遡る。上流に登れば登るほどモクズガニの型は大きく、「よく歩いたカニほど、大きく育つ」と祖父はいう。その最上流に仕掛ける私達のモクズガニ漁だが、親から子へ伝わる伝統的なこの漁をいつまでも守って行きたいと思う。




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