Home > キノコ採りのページ



「11月の第2週になると紅葉も終わっているだろうなぁ」と思いながら、会社が終わったらすぐに新潟に向かった。

狙いは晩秋のキノコ達。ナメコ・クリタケ・ムキタケ・エノキタケが代表的な晩秋に出るキノコだろう。


秋の前期に出るマイタケは仕事が忙しくて採ることが出来ず・・・

秋の中期に出るシメジやナラタケは仕事が忙しくて採ることが出来ず・・・

秋の後期に出るキノコだけは逃すわけにはいかん!!仕事は相変わらず忙しんだけど、仕事よりもキノコが優先だからな!と会社に伝えたので、気合十分です。


新潟になかなか帰ることが出来なかったけど、親父やよしおじさんのところにはちょこちょこTELしていたので、山の状況は大体分かっている。

「今年のキノコは出るのが遅い」

今年の秋は、全ての生き物の行動パターンが例年より遅い。紅葉時期も遅い。鮎が落ちるのも遅い。モクズガニが川を下るのも遅い。キンモクセイが咲くのも遅い。アケビの実が割れるのが遅い。

だから、キノコも出るのが遅いはず。

僕の予想が当たっているかどうか、山に入って確かめてみましょうか!!




新潟・福島県堺

親父に「どこの山に行く?」と聞くと、「会越国境の山だな」という。あぁ、俺も同じことを考えていたよ。

行く場所はすぐ決まった!


「よーし!ナメコを採るぞ!!」と気合入れて目的地に着くと、すでに先行者が山に入っていた。

車1台にバイクが1台。バイクはスーパーカブなんで地元の人だろう。

「2番煎じ、3番煎じでは旨味がないよ〜」と意気消沈しかけたけど、親父が「この近くに誰も行かない場所知っているぞ!」という。

「誰も行かない場所??」

ちょっと怪しいけど、3番煎じよりはずっとマシだろう。

「その誰も行かない場所でも行ってみるか!!」




やっぱり

「誰も行かない場所」なんて、何かしら障害があるもんだ。

親父の後ろに着いていくと、高さ20mの滝が出現した。

「ほれ!やっぱりな。要するにこの滝の上ってことだろう!」


パっと見た目はこの滝をクリアする道はなさそうだ。どっちから行くんだ!右壁か?左壁か?
僕の見た目では左壁から登った方が楽そうだが、親父は右壁から登るという。

「右??左の方が楽そうだけど・・・」とつぶやくと

「まぁ、登れば分かるよ!」だってさ。




滝の右から

滝の右横の流れ込みから登っていくが、ここが危険なんだ。

こんな川登りするつもりはなかったので、長靴を履いて山に入ったんだけど、ツルツル滑るし、上を見上げると今にも下に落ちてきそうな大木があるしで、右壁じゃなくて左壁だったなと思いながら、なんとか危険地帯を突破した。




右壁が正解

危険は場所を過ぎたので、周りを見てみると・・・

「20mの滝の上に、更にもう一つ滝があったのね(^_^;)」

高さは20mぐらいあるだろう。

左壁を見てみると、左壁は降りるところがなく、山の頂上まで登る羽目になっていた。

「左を登っていたら、降りれなかったなぁ!」というと、親父が「左を登ったら大変な目にあったよ」と・・・

「左壁を登った経験者だったのね。失礼しました。」




ブナの原生林

2つの滝をクリアすると、人の気配が一切ないブナの原生林が広がっていた。

ここは良い場所だな。キノコを採りに来たぞ!と実感することが出来る。

人が来ない場所だけあって、ブナの大木には無数の熊の爪痕がある。

鈴をチリンチリン鳴らしながら、キノコ採り開始だぁ!




まずは・・・

まずは”ムキタケ”

傘の裏を見ると、虫も湧いていなく、ちょうど食べ頃。

もし1週間前にこの場所に来ていたら、このムキタケは小さくて採ることが出来なかっただろう。
もし1週間後にこの場所に来ていたら、このムキタケは老菌になって食べても美味しくなかっただろう。

今がちょうどベスト!

キノコを採る山は色々あるけど、読みが当たる時と嬉しいね。




ムキタケ

【ムキタケの基礎知識】

冷え込みが厳しくなる晩秋に出るキノコ。1つの場所で大量に発生するので比較的採りやすいキノコ。
毒キノコの”ツキヨタケ”と形が似ていることから、敬遠する人もいるようだが、”ツキヨタケ”は9月下旬〜10月初旬がピークなので、ムキタケとは出る時期が違います。ただし、場所によってはムキタケが早く出ることもあるので、油断は禁物です。

味にクセがなく、ツルリとした舌触りの美味しいキノコで、僕の家では鍋料理にして食べています。




ナメコ

本命はこっちの”ナメコ”

ムキタケよりもナメコを採る方が難しいです。

ナメコも群生して生えているので、1本見つけると結構な量が採れます。傘が開くと虫が寄ってきますが、まだ傘が開いていない極上品。

もし1週間後だったら、傘が開いて虫だらけだっただろう。




ナメコを採るときは

ここまで来るのが大変だったので、今日は家に着くのが遅そうです。

キノコを採ったら下処理をしないと行けないんだけど、その下処理というのは、キノコについているゴミを取ったり、傘の裏に虫がついているようなら、1時間ほど水の中につけて虫を殺したりする。

傘が開くとキノコは胞子を出すので、この胞子に虫が集まってきます。

今日のキノコは傘が開き切っていないので、虫の処理はしなくても済みそうです。ゴミはどうしてもついてしまうが、なるべくゴミをつけないよう、ナイフで丁寧に採っていくと、後処理も楽です。




クリタケ

これは”クリタケ”です。

クリタケは根元に出るキノコで、ブナよりもナラの木に出る方が多いかな。

キノコ採りの秘訣は何ですか?と聞かれることがあるけど、キノコには3種類のタイプがあって、地面から出るキノコ(ウラベニホテイシメジ・コウタケ等)と、生きている木から出るキノコ(マイタケ・マツタケ等)と、死んでいる木(枯れ木・倒木・切り株)から出るキノコ(ナメコ・クリタケ等)の3種類。

今回、僕が狙っているのは、死んでいる木を探すこと。その結果にキノコが出ているので、”キノコ探し”というより”木探し”といった方がいいかもしれません。




来年は・・・

ナメコは”木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん)”で、もっと詳しくいうと”白色腐朽菌(はくしょくふきゅうきん)です。菌なんで、栄養がないと生きていけません。

この木を見ると表皮がなくて、もう栄養がなさそうです。たぶん、来年はあまりナメコは出ない木だと思う。




ジャンボサイズ

天然物ゆえに、たまにはこんな大きいナメコも。

市販で売っているナメコの何倍の大きさの天然ナメコ。こんなジャンボサイズのナメコをタダで食べられるなんて幸せだね。




木登り

木の下から上まで、びっしりと”ムキタケ”が生えている。

”ムキタケ”は名前の由来であるように表皮が剥きやすいことから名前が付けられているが、今回は「いっぱいキノコを採ったら送ってくれ!」といってくれた知人がいたので、それならばと”ムキ”になって、全部採ってきました!!




良い場所だけど・・・

「これも来年はあまり出ない木だなぁ・・・」

木の皮がほとんどないので、来年はあまり出ないと想像できる。

もし一昨年・去年なら、この木はナメコでびっしり覆われていたことだろう。




何やっているの??

親父がしゃがんで何やら怪しいことをしている。

「何やっているの?」

親父はこの木は”キハダ”だという。

キハダかぁ・・・確か、おばあちゃんが煎じて飲んでいるお茶が”キハダ”だったなぁと思い出す。




黄色だね

僕たちのリュックの中には、必ず”折りたたみのこぎり”が必ず入っている。

鉈(ナタ)もいいんだけど重たくてね。木を切るんだったら”ノコギリ”の切りやすい。

ノコギリで切った切り口を見ると、鮮やかな黄色をしている。

今まで”キハダ”には目配りしていなかったけど、こうしてみると心材が黄色はちょっとドキッとします。

心材が黄色の木といえば・・・ウルシを連想します。

「ウルシを触るとかゆくなるからなぁ・・・」




最後に・・・

親父のリュックを見てみると、結構の量のキノコを採っている。僕も同量ぐらい採っているので、2人でこれだけの量のキノコを採れれば、十分満足です。

今日は標高700m〜800m付近でのキノコ採りだったが、来週は300m〜500mぐらいのところで晩成型のキノコがピークを迎えると思う。

今度の土日も新潟でキノコ採りしようかな!!




MENU

 Copyright (C) 2013 oinari. All Rights Reserved.
inserted by FC2 system