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山菜採りは初期に出るもの、中期に出るもの、後期に出るものと3段階に分けることが出来る。

初期はフキノトウ・コゴミ・タラノメ・ヤマワサビから採れ始め、これらが終わるとゼンマイ・ウルイ(オオバキボウシ)・シドケ(モミジカサ)・ウド・コシアブラ・エラ(ミヤマイラクサ)・ドンパ(イヌドウナ)など中期は多種の山菜が採れる時期。そして後期はワラビ・ジンタケ(ネマガリタケ)・ミズ(ウワバミソウ)・フキが採れる。

5月連休時は初期に出る山菜しかなく、中期に出る山菜はほとんど採ることが出来なかった。

では、中期の山菜はいつ出るだろう?と親父やよしおじさんと話し合って5/15と予測したが、5/15によしおじさんからまさかの電話が来るとは思いもしなかった。




急がないと・・・

「ここ1週間は暖かい日が続いたから、藤の花が咲いたぞ!!」

とよしおじさんから電話が来た。

「え!マジに!!!!!」

藤の花は紫色して綺麗だなぁ〜なんて呑気なことは言っていられない。僕らにとって藤の花は、後期に出る山菜が出始めるサインであると同時に、中期に出る山菜がそろそろ終わることを意味している。

「今年はまだゼンマイ採っていねぇぞ!!」

ゼンマイは山菜の中で1番の高級品であり、1番危険を伴う山菜採り。だから山に登ってスカシは許されない。

1番重要な山菜の旬が過ぎてしまう!急いで五頭連峰に登ってゼンマイを採らなくちゃ!!




五頭連峰

五頭連峰は1000mそこそこのあまり高くない山々だが、雪により山が削れ、崖が多い山。

ゼンマイは北向きの崖がもっとも多く出ている。五頭連峰はゼンマイにとって好条件が揃っている山。

写真を見ると緑になっている場所はほとんどがブナ。こういうところにはあまりゼンマイ出ない。
ゼンマイが出る場所は木が無い場所。そこは岩肌が出ており、北向きの斜面ならゼンマイが採れる。

そんなところで僕はゼンマイを採っています。




コブシの花

ゼンマイ採り場に向かう最中、山の様子を観察しながら歩いています。

亡くなったおじいちゃんが「コブシが咲いた時、ゼンマイが採り頃だぞ。」と教えてくれたが、山にはコブシが咲いていた。

でも、よく見ると花に元気がないです。ちょっと盛期は終わったかなって感じです。

山に登らなくても、花を見ればゼンマイがどうなっているか大体分かります。

「ゼンマイも旬が過ぎたな・・・」




ゼンマイ採り場

こんな感じの沢でゼンマイを採っています。

左側の斜面が北に向いており、ゼンマイが採れるのは左側の斜面です。右側の斜面は北向きではないので無視します。

今日は僕一人で、親父もよしおじさんも仕事でゼンマイ採りは行けないという。

ホームページに載せるため、一応、人物を載せた方がいいので、自分の写真を撮ったけど・・・

斜面がきつく、写真を撮るのも大変なので、僕の写真はこれ1枚だけ。




ギリギリだな

北向きの斜面を登るとゼンマイだらけです。

しかし、日当たりの良い場所は、ゼンマイの綿が採れて葉が広がっており、もう旬が過ぎていました。

日陰の場所は辛うじて綿が付いているゼンマイがありますが、あと2日もすれば葉が広がって旬が過ぎてしまいます。

「ギリギリセーフだったよ〜」




ゼンマイについて

ゼンマイは1つの株に数本出ており、採るのは光合成をする栄養葉。これを”メスゼンマイ(女ゼンマイ)”というが、写真では背丈が小さなゼンマイのこと。

背が高いゼンマイは胞子葉で、”オスゼンマイ(男ゼンマイ)”といいますが、”オスゼンマイ”は採らずに残しておきます。

オスを残すとはいえ、崖のところに出ている山菜なので、不安定な姿勢で採っていると間違ってオスを採ってしまうことがあります。

ゼンマイの綿取りの時にオスゼンマイは全部捨てますが、田舎の言い伝えで、乾燥させたオスゼンマイを保存すると虫が湧いてくるそうですよ。




太いだろう〜

ここのゼンマイはデカいです!太いです!ゼンマイの中でも極上品です。

ここまで太いと、ポキッポキッといい音がします。


太いゼンマイがあるということは、あまり人が採らないからです。

田舎の人も良いゼンマイが出ているのはみんな分かっているのですが、ゼンマイの捕り手も高齢化が進み、山奥まで行ってゼンマイを採る人も少なくなりました。

田舎の部落では僕が最年少です。

「これからは僕の天下だぁ〜」と喜びもありますが、反面、ちょっと寂しいですね。

これも時代の流れか・・・




ゼンマイの他には・・・

この場所はゼンマイだけではなく、天然の山ウドもいっぱいあります。

でも、ゼンマイの方が高級品ですので、ウドは夕食分だけ採ります。

ウドも大好きな山菜だけどウドはかさばってねぇ・・・ゼンマイを採ると邪魔になるんだよね。




コシアブラ

中期に出る山菜の一つ”コシアブラ”

これは葉が開きすぎて、完全に旬が過ぎってしまった。

ここまで大きくなると、天ぷらにしても茎が固くて美味しくないです。

今回はスルーして、来年に採ろう。




満タン

ここの場所は旬が過ぎたゼンマイが多かったが、それでもリュックサック満タンになるほどのゼンマイを採ることが出来た。

さーて、ここからが大変。

重さは30kg程度だろうけど、これを背負って沢を登り詰めるのが一苦労。この登り詰めがあるから誰もこの場所に来ないのだろう。




まだまだ

ゼンマイは採ってからの処理もまた大変。

家に着いたら、ゼンマイについている綿を1本1本綺麗に取ります。ちゃんと綿を取らないと、綿を食べることになってしまいます。

綿取りが終わったら、次は茹でる作業です。




釜ゆで

採る量が多いので鍋も”大鍋”で茹でます。

今日は僕一人だったので、ゼンマイの量は大したことがありませんが、野人メンバーが3人だったら、100kgのゼンマイを茹でなければいけません。

ゼンマイはその日のうちに綿取りと茹で方をしないといけないので、大きな鍋が必要です。




最後の仕事

茹で上がったゼンマイは、すぐに広げて”粗熱(あらねつ)”を取ります。

茹でたゼンマイを固まったままにしておくと、粗熱でゼンマイが柔らかすぎになってしまい、天日干しで揉んでいるときにゼンマイが切れてしまいます。

ゼンマイが冷めたら、ゼンマイをまとめてもOKです。

これで今日1日のゼンマイ採りは終了です。


明日から天気が良ければ天日に干して、乾燥すれば出来上がりです。

天日干しの時、ゼンマイを揉めば揉むほど繊維質がほぐれて、おいしいゼンマイが出来ます。

「ばあちゃん、明日から揉み方を頼むぜ!!」

・・・・・・

「明日は雨だから干せねぇぞ」

・・・・・・

「マジ!明日もゼンマイ採りに行こうと思っていたのに・・・」




最後に・・・

五頭連峰のゼンマイ採りは今年はこれで終わり。

次にゼンマイ採りに行くならあの白い山だな。あの白くなっている山々は”飯豊連峰

五頭連峰は1000mくらいの山々だが、飯豊連峰は2000m級だから、今ようやく春が来たところだろう。

ゼンマイもいっぱいあるけど、2000m級だけに崖登りが超ハード。

かなりきついから、飯豊はあまり行きたくないなぁ・・・



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